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『それでもボクはやってない』周防正行×加瀬亮

日本の刑事裁判に向き合った周防監督&加瀬亮を直撃!

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ハリウッド・リメイクもされた名作『Shall we ダンス?』の周防正行監督待望の新作は、痴漢冤罪事件を通して、日本の刑事裁判の問題点を描いた社会派エンターテインメント『それでもボクはやってない』。11年ぶりにメガホンをとり、「裁判」という新たなテーマに挑んだ周防監督と、主人公を演じた加瀬亮が名古屋へ。映画について語ってくれた!

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(c)2006-2007 フジテレビジョン アルタミラピクチャーズ 東宝

「とんでもない刑事裁判の現実を、すべての人に知らせたいと思ったんです」


−前作の『Shall we ダンス?』からこの作品に至るまで、11年がかかったのは?
周防正行監督(以下:周防)「僕は今までいつも“撮りたい!”と思って映画を撮ってきたので、役者さんやスタッフに“こうしたいんだ!”って熱く語るものがないと出来ないんですよ。で、そういうものに出会ってなかったんです。でも正確には取材を開始してから丸4年ぐらいなので。どうしたらいいかと思っていたのは、7年ぐらいなんですよ(笑)」

−これなら情熱が傾けられると思ったのは何故ですか?
周防「痴漢事件の被告人が、一審の東京地裁で有罪判決を受けながらも二審で逆転無罪をとったという新聞記事を目にして。それが被告人と奥さん、大学の同級生たちが素人なりに考え、弁護人に相談し、2年の間にありとあらゆることをやり続けて無罪をとったっていう感動的な記事で、僕の馴染みやすい世界のように見えたんですね。それで取材を始めたんですが、刑事裁判ってこんなだったの?って驚きが多かったんです。感動的な話を生まざるを得なかった今の裁判制度の方に問題があるんじゃないかと思えてきて。今までなら驚いたことをみんなに教えたい、共感したいって気持ちになったのが、今回はこんなにとんでもない現実を日本で生活しているすべての人に知らせたいと。撮れると思った訳でも、面白くなると思った訳でもなく、使命感として撮らなきゃいけないと思ったんです」

−主人公をフリーターにしたことにも理由が?
周防「痴漢冤罪で苦しんでる人は30代、40代のサラリーマンが多いんですけど、ドラマがありすぎて、どうしても家族の話が気になってしまう。でも僕は裁判官がどうやって事実認定をしていくのか、その過程に驚いた訳でね。裁判を主役にしたかったんです。家族が崩壊していくのは、あえて見せつけられなくても想像のなかでいけるだろうと。だったら守るべきものが少ない、余計なものを持っていない若い人を主人公にした方が、裁判に目がいくだろうと思ったんです」


「長セリフを途中で忘れても“やってない!”って言おうと思ってました」(笑)


−役者としては、裁判劇を演じる難しさは感じました?
加瀬亮(以下:加瀬)「行ったことのない場所にずっと居ることには、不思議な戸惑いはありました。飛び交ってる言葉もわからなかったりして。でも今回は裁判の素人としてそこに立って、映画を通して対面していくことが大事だと思っていたので、わからないならわからないままでいいのかなと。裁判劇だから特別ではなくて、いつも通りその役の性格によっかかっていただけなんです。あと今回すごくハッキリしていたのが、ひたすら“やってない”って言い続けること。その真意がブレることはなかったんで、例えば長セリフを途中で忘れちゃっても、“やってない!”って言おうと思ってたんですよ(笑)」

−加瀬さんが演じた徹平は、痴漢に間違われて、罪を認めた方が楽だと言われてもずっと無実を訴え続けますよね。何故そこまでできたと思いますか?
加瀬「取材でよくその質問をされるんですけど、実は考えたことがなくて(笑)。一切そこに疑問を持たなかったんですよ。ボクは裁判のことを何も知らない時に脚本を読んだので、やってないんだから当たり前と思ったんです」

−同じ立場になったらやっぱり無実を訴え続ける?
加瀬「今はちょっとわかんないですね。逆にこの映画をやって大変さを知ったので、今なら5万円払うかも(笑)。でもこういう作品に出させてもらった以上は、戦っていきたいなとは思います(笑)」

■PROFILE
周防正行/MASAYUKI SUO
1956年東京都生まれ。'84年、『変態家族 兄貴の嫁さん』で監督デビュー。'89年、『ファンシイダンス』で注目を集め、'92年『シコふんじゃった』で日本アカデミー賞最優秀作品賞を獲得。'96年の大ヒット作『Shall we ダンス?』で、日本映画の各映画賞を総なめに。同作は世界で公開され、成功を収めた。

加瀬亮/RYO KASE
1974年生まれ。神奈川・横浜出身。'97年より演技を学び始め、舞台に主演。'98年には映画の現場に参加し、俳優の勉強を始める。00年、映画『五条霊戦記』にてスクリーンデビュー。その後『ロックンロールミシン』(02)、『誰も知らない』(04)、『花よりもなほ』(06)など、数々の映画やCMにも出演。

『それでもボクはやってない』
1/20(土)伏見ミリオン座ほかで公開
就職活動中のフリーター、金子徹平は、会社面接へ向かう満員電車で痴漢に間違えられ、現行犯逮捕される。警察署での取調べで容疑を否認し無実を主張するが、担当刑事に自白を迫られ、留置場に勾留されてしまう。さらに検察庁での取調べでも無実の主張は認められず、ついに起訴されることになり…。
■監督・脚本/周防正行 ■出演/加瀬亮/役所広司/瀬戸朝香/山本耕史/もたいまさこ/田中哲司/光石研


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(c)2006-2007 フジテレビジョン アルタミラピクチャーズ 東宝

TEXT/Eriko Onabe

 

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